野坂昭如「エロ事師たち」(新潮文庫)
文体面白い。小説というより語りだな。関西弁がつぼ。「わかってま」俺も使ってみたい。
ストーリーも相当面白かった。シロクロ親子、恵子が印象に残ってるなあ・・・男性が意外と繊細で、女性が実はガサツ、という風に書かれているが、これは女性はどう読むのだろうか。
男流文学論で、富岡多恵子さん吉行淳之介はだいぶ嫌ってるのに、野坂昭如「エロ事師たち」は大好きなんだよね(別冊新評 野坂昭如の世界 p147)。「エロ事師たち」も見ようによっちゃ女性蔑視だと思うんだけどなあ・・・なんで野坂はよくて吉行はダメなのかなあ・・・ファンだけに気になる。女性の実態が図星だからokなんかな。
富岡多恵子さん「芻狗」っていう男の女性信仰を粉々にするようなスゲー萎える小説書いてるしなあ。あれが真実ならたしかに「エロ事師たち」の女性の描き方は生ぬるいかもしれないなあ。まああれはデフォルメだと思うけどね。
嘘ではないが真実でもない。
男流文学論での富岡多恵子氏の吉行淳之介批判
①世間では粋人として扱われているが、小説を読む限り、女性のことがまるでわかってない。
②女性の登場人物に現実味が無い。
③小説技法が受け入れられない(「砂の上の植物群」)。
④女性を動物扱いしているのが不愉快。
④だけど、野坂昭如もTVで「女は、男のアバラ骨一本から出来上がったもので、大体が、男より一級下の生物なんです」って言った事があるんだよなあ。(別冊新評 野坂昭如の世界 p202)
しかもそれを吉行が弁護するっていうw(変った種族研究「野坂昭如」)
野坂の女性蔑視発言を富岡氏が知らないとしても、「エロ事師たち」には反映されていると思う。
結局①と②が決め手かな。
あんさん巷じゃ女性通みたいに言われてますけど全然間違ごうてまっせ。てことかな。
今までの話が全部無駄になるけども、そもそも吉行と野坂それぞれ批評した時期が違うからってのもあるかもしれない。
もしくは関西人にとって「オモロイは正義」
- 作者: 野坂昭如
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1970/04
- メディア: 文庫
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