チェスタトン「木曜の男」 (創元推理文庫)

副題に「ある悪夢」とあるが、たしかに悪い夢のような物語だった。

終わりのほうの展開は唖然として見守ることしか出来なかった。ツッコミどころは数えあげればきりが無いが、この作品はリアリズムとは別の論理に貫かれていると思えば納得できる。

背景はやはりキリスト教の世界観なんかな〜これ。

このどんどん別の世界に連れていかれる感じ、どっかで前にあったな〜と思ったら「世にも奇妙な物語」だった。あとなんとなく阿部和重「インディヴィジュアル・プロジェクション」を思い出した。

にしても、陰謀論になるのはあんまり好みじゃないな。陰謀論ってたしかに面白いけど、なんか安易に思えてしまう。世界って陰謀論じゃあなかなか捉えきれないものがあると思うんだけどな。

陰謀論の「世界を理解できたという快感」には魅力があるのは認めるが･･･

そういやあ阿部和重ってチェスタトン読んでそうだな。

木曜の男 (創元推理文庫 101-6)